一人に刺さればいい

『見守る力』の本を卒業生に送ったところ、丁寧に感想を返してくれたのは高校二年生の元女子キャプテンだけでした。

正直に言えば、少し寂しさもありました。
けれど、あらためて思ったのは、大切なのは反応の数ではなく、どれだけ深く届いたかということです。

彼女は、本を読みながら当時のことを思い出し、あの頃は分からなかったコーチの思いや行動の意味を受け取ってくれました。
そして、その中の言葉に救われたとまで伝えてくれました。

その感想を読んで、見守るということは、すぐに結果が返ってくることではないのだと、あらためて感じました。
その場では伝わらなくても、時間がたってから相手の心の中で意味を持つことがある。
それこそが、見守ることの本当の価値なのかもしれません。

指導者として大切なのは、選手を自分の思い通りに動かすことではなく、一人ひとりをよく見て、それぞれの個性や可能性を信じながら成長を促していくことだと思っています。
小さな種まきでも、やがて芽が出る瞬間があります。
その瞬間に立ち会えることは、何より大きな喜びです。

今回、彼女からいただいた感想は、私にとって『見守る力』を書いて本当に良かったと思える出来事でした。
そして、これからも人の成長を信じて関わっていきたいと、あらためて思わせてくれました。

徳田義之


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